旭川土地家屋調査士会

3Dデータを投影
3Dデータ、土地の境界線を上部より投影

【目的】

土地家屋調査士の可能性を広くアピールする事を目的とする。

【経緯】

 旧陸軍第7師団が明治35年旭川に設営された際に、将校たちの社交場として建築されたものであり、当時は主に会議、研修会、講演会、宴会、結婚披露宴に使用されていた建物であります。
 現在、旭川市で唯一、国の重要文化財に指定されている木造建物の位置データ及び3Dスキャンを行い、旭川市へ提供する事により火災や天災により消滅したとしても再建可能な正確なものを再建できるよう位置データ、3Dデータにより残す事としました。

【目指すもの】

旧旭川偕行社の位置データ、3Dデータを作成したことを、新聞記事等で取り扱ってもらうと共に、旭川市からもホームページ等で公開してもらう事で、表示登記のみならず土地家屋調査士の可能性と将来性を多くの方々に広く知ってもらう契機としたいと考えます。

【事業経過と結果】

旭川市教育委員会社会教育部 文化振興課に70周年記念事業の趣旨をご理解いただき、現地調査を快諾いただきました。
また、(社)旭川公共嘱託登記土地家屋調査士協会には現場実測業務、(株)旭川システムサービスには機材及びデータ解析のご協力をいただき現地調査をスムーズに行うことが出来ました。
現在旭川市彫刻美術館として使用されており、著作権等がある事から、残念ながら内部の3Dスキャンは出来なかったが、市の担当者に解析後のデータを確認していただいたところ、大変興味を持っていただき、今後、内部もこのように残していく事が必要ではないかとのお話もされておりました。今後は旭川市への贈呈式も予定しているところではありますが、現在コロナウィルスの関係で日程を調整中です。

【登記制度について創造されたもの】

今後、登記制度においても電子化が更に進んでいくであろうと思います。
今回の3Dスキャン作業については将来的には、土地家屋調査士が行うADR、筆界特定の実務においても視覚による現場の把握資料として活用される可能性も秘めており、建物の位置データと共に3Dデータが登記制度に反映されてくる事も考えられます。

【創造されたものを活かすには】

建物表題登記については今現在、平面的に登記管理されているものである為、もしも立体的に登記管理する事になると3Dデータは活かされてくるものと思われます。
今回おこなったように、登記の対象とはしないが歴史的には価値があるもの、あるいは空間に情報のあるもの(高圧線、高架等)などの保存、復元に関しての制度的なものが出来れば、将来的に活かされてくるのではないでしょうか。

【位置図】