岡山土地家屋調査士会

【目的】

当会としましては、岡山県のランドマークで県民がまず思い浮かべるであろう岡山城の調査・測量を行っております。岡山城天守閣は岡山市の管理となっており、今回は表題登記までは至りませんでしたが、もし岡山城の表題登記を行ったらどのような登記簿・建物図面になるだろうか?を出発点とし、TS を用いた実測作業だけでは無く、無人航空機 (UAV)を用いて多角的に建物測定を行っております。将来的には我々土地家屋調査士の業務においても最新機器を用いて複合的な測定を行い、より正確に視覚的にも分かりやすい図面作成が可能になり、登記制度においても反映されるるようになると考えております。

【経緯】

・当会の担当部は広報部に決定。
・岡山県のランドマークとなる建物の測量を行うこととした。
・ いくつか候補を挙げて選定作業に入る。
候補として岡山城・備中松山城・国分寺・閑谷学校・吉備津神社等々
全国的にはあまり知られていないかもしれないが、岡山においては有名な建造物である。
・ 選定結果、岡山城と決定した。
選定理由としては、岡山県民で知らない人はいない有名な建物である事、山間部ではなく平地に存在している為、測量業務が行いやすい事、後述しているが底地が区画整理されており建物位置の特定を正確に行える、などが主な選定理由である。

【目指すもの】

これからの表題登記においては平面データのみならず、3 次元データも登記情報として活用されるかもしれないと考えております。(登記制度を活用する国民の皆様により分かりやすく、実地に沿ったものになるのではないでしょうか)。
また、今回協力をしていただいた岡山市産業観光局観光振興課と今回作成を行ったデータの利活用についても協議を行っております。

【事業経過と結果】

・ 岡山城の建物状況及び管理者・法務局調査を行った。
・ 岡山城は天守閣・不明門・月見櫓(国の重要文化財)・廊下門に分かれており、実測を行うのは天守閣のみとした。
・ 岡山市の担当課は産業観光局観光振興課であり、「登記制度創造プロジェクトの主旨に賛同していただき協力を得ることができた。
・法務局調査の結果、底地は昭和57年に区画整理がされており(座標データは無し)これによって、建物位置特定が正確に行える目途がついた。
以上が令和2年 1 月から秋までの経緯となります。
・ 現地実測作業の為、会員へ公募による参加を募り広報部3名・公募参加者6名により進めていくこととなった。
・ 岡山城は岡山市烏城公園内に存在しており、実測作業(基準点設置・TS による観測)
また、無人航空機 (UAV) による空撮において許許可手続きが必要であった。
・ 実測作業・無人航空機 (UAV) については公園管理を行っている公益社団法人おかやま観光コンベンション協会へ、底地に基準点鋲の設置を行うため岡山市教育委員会文化財課へ許可申請を提出し許可を受けた。
・無人航空機 (UAV) の空撮に関しては、烏城公園南側に岡山県庁が存在しており県庁へリポートの飛行区域と近接していたため、県担当課(財産活用課)及び大阪空港事務所・大阪航空局それぞれ許可申請を行い許可を受けた。
・ 基準点選点作業を令和 2 年 10 月 21 日に行い、 11 月 18 日に実測作業を行った。
・ 無人航空機 (UAV) の空撮は上記許可に時間を要した事 と、公園内の立木の葉が無くなる 時期を考慮して、令和 3年1 月 13 日、1 月 21日の二日日間で行った。(両日ともに観光客の入場 9 時までの制限があった為、7時からのスタートで行った)。
・事前に報道各社へ通知を行っており、1 月13日には岡山ローカル T V局5 局、新聞社 1社の取材を受け TV に関しては当日のローカルニュース で放映された。 新聞に関しては翌日の朝刊にて記事が掲載された。
・ 現場作業終了後、建物図面作成(実測及び岡山市より貸与された平面図を基として)、登記情報の作成(担当会員により岡山城主 の変遷・建物の変遷を資料収集により行っている)、無人航空機(UAV)によるデータ解析(担当会員により空撮データ解析を行い、3D 画像の作成を行っている)。