佐賀土地家屋調査士会

【目的】

国家資格である土地家屋調査士は、昭和25年の制度制定から、今年で70年を迎えます。そこで、全国の土地家屋調査士会が連携し、将来の登記制度を考える事業(登記制度創造プロジェクト)を実施し、広く情報発信することにより、土地家屋調査士が、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家のみならず、位置情報・空間情報の専門家として、行政とも連携し防災・減災の観点から、貴重な財産である土地・建物が適正かつ安全に権利移転できるような観点も鑑み、将来の登記制度をも考える契機とします。また、位置情報の重要性、必要性を発信するとともに不動産登記制度への理解を促し、それを支える土地家屋調査士の職能や専門性等を広くアピールしたいと考えています。

【経緯】

佐賀県土地家屋調査士会では、「市村記念体育館」の3Dデータ測量を行いました。同体育館は1963年の建築以来、その特徴的なデザインで、長く佐賀県民に親しまれながら体育館としての実績を残しながら、現在に至っています。
佐賀県庁のご協力のもと、今回特別に舞台下や吊屋根の上にも立ち入らせていただき、最先端の測量機器で計測、3 D データ化することとなりました。

【使用機器】

Leica RTC360( 高性能3Dレーザースキャナー )
Leica BLK360( 小型・軽量・高精度3Dレーザースキャナー)

【目指すもの】

現在の同体育館の大きさ、かたち、色など、細部にわたる情報を後世に残すことができます。
これらは、今後の維持管理や改修、また、自然災害や不測の事故による破損や消失の際の修復、復元の重要なデータとなります。
なお、取得した3Dデータは、後日、佐賀県に寄贈いたします。 

市村記念体育館と参加者

【事業経過と結果】

・ 7/28 実行委員会にて記念事業の内容および対象建物を協議
・ 10/6 ライカジオシステムズ株式会社から3Dレーザースキャナーの技術指導を受ける
・ 10/7 対象地である市村記念体育館の事前調査
・ 11/10,11 3D レーザースキャナーにて計測作業
現在は計測結果を合成処理中ですが、コンピュータ上で3次元のデータを任意の視点で表示・計測できる予定です。

現在計測結果を合成処理中ですが、一部は計測当日に3次元表示できました。上記の写真は計測結果をノートパソコンに表示したものになります。

【登記制度について創造されたもの】

今回の3D測量、建物の三次元データ化により、土地家屋調査士が、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家のみならず、位置情報・空間情報の専門家として、行政とも連携し防災・減災の観点から、貴重な財産である土地・建物が適正かつ安全に権利移転できるような観点も鑑み、将来の登記制度を考える契機としました。

【創造されたものを活かすには】

我が国における3D 地籍への需要については、近年増え続ける高層マンション群や、少子化による都市への人口集中、又は構造物の管理の簡素化にむけた需要が加速することが考えられ、これらを踏まえた3D 化を探っていきます。