大分土地家屋調査士会
【目的】
大分県中津市留守居町にある福澤諭吉旧居の調査・測量・登記申請等を通じて土地家屋調査士の職能や専門性を広くアピールすると同時に、福澤諭吉旧居を全国に宣伝すること。また、官公庁が管理所有する建物を表題登記することで、位置情報を付加した建物図面を公示し、将来的に公共の建物が記載された建物所在図の備付けを目指す。
【経緯】
広報部で協議・検討を行い、大分県を代表する歴史の偉人、福澤諭吉先生の旧居の表題登記及びその他調査測量等を計画。常任理事会にて説明の上、当会から中津市へ数回の説明とお願いに伺い、協力についての了承を頂く。
【目指すもの】
① 現況平面図の作成
現地の調査測量の上、現況平面図を作成し、福澤諭吉旧居の敷地の境界の検討を行う。
② 建物の表題登記の申請
位置情報(座標・標高)を付加し、求積方法も座標法を使用した建物図面の備付けを目的として、建造物の表題登記を行い、建造物の位置情報等の公示を目指す。
③ 3Dデータの作成
3Dスキャナーにより三次元データを作成し、多目的(防災・減災・復旧等)に利用できる情報を提供する。
④ 折り紙模型の作成
3次元データを基に、展示できるような100分の1スケールの精巧な折り紙模型(ペーパー
ク ラフト)を作成し、展示できるようにアクリルケ ースに入れて提供する。
⑤ 広告の作成・配布
表面に福澤諭吉旧居、建物表題登記、土地家屋調査士及び70周年記念事業を広報するための広告を作成し、裏面に子供でも容易に作成できるような簡易的なペーパークラフトキットを印刷して小学校等に配布する。
⑥ 70 周年記念誌(通常会報誌の特別版)の作成本事業及び特別な記事を取り上げた記念誌を作成し、中津市役所をはじめ、大分県内の官公庁や県立図書館及び全国50の土地家屋調査士会に配布することにより、福澤諭吉旧居を広くアピ ールする。
【事業経過と結果】
計画した事業は全て完了し、令和3年1月8日に成果品等を寄贈予定。
【登記制度について創造されたもの】
建物図面に位置情報(外壁面角の座標、標高)を記載し、床面積を座標法にて求積するため各階平面図に柱の中心の座標値を記載しました。尚、座標値は都市再生街区基準点より世界測地系にて測量し、登記基準点として補助基準点を2点設置、測量の上、街区基準点と共に記載しています。
【創造されたものを活かすには】
建物図面は建物の位置・形状等の物理的状況を示すものですが、位置情報等を記載することにより、建物が現地のどこに位置するか明らかにすることができることから、建物所在図の目的を充足することができます。また、14条地図地域であれば図根点を利用することにより建物所在図の備付けを容易に行うことができます。結果として、14条地図の備付けを急ぐことと、建物所在図の作成を見据えた建物図面についての法改正があれば備付けが進むのではないかと考えます。